クライマーは「日本人アルピニストが育たなくなる」
署名を始めたクライマーで山岳映像制作者の鈴木岳美氏(31)は、冬の富士山は海外の高峰を目指すクライマーの訓練の場で、登山禁止になれば「日本人アルピニストが育たなくなる」と話すが、最近の富士山を取り巻く世論も懸念しての訴えだともいう。どういうことか。
「安易な遭難という言葉が報じられ“山=危険”という登山文化を偏った目で見るかたが増えてしまっていると思います。
実際の登山は、考えられる危険に対し肉体を鍛えて知識も得て、経験もして大自然に向き合う鍛錬が中心で、それで人間としての成長ができる、ある種の修行です。そこを見ず単純に危険ということに目が向く状況が1番良くないと感じています」(鈴木氏)
この署名への賛同者はじりじりと増え、29日までに6000筆を超えた。さらに日本山岳会など主要な5団体でつくる「⼭岳安全対策ネットワーク協議会」も20日、ネット署名と同趣旨の声明を発表。
〈今回議論されているような「⼀律禁⽌」という⽅向性は、問題の本質的解決につながるものではなく、積み重ねられてきた⽇本の登⼭⽂化や、個々⼈が適切な準備と責任のもと⾃然に挑戦する権利/⾃由を過度に制限するものになりかねません。〉
と訴え、日本の登山家全体を巻き込む論争に発展した。
対する須藤市長は19日に、自分が会長を務め他の静岡県内4市1町とつくる「富⼠⼭ネットワーク会議」でまとまり、閉⼭中の登⼭を制限する仕組み作りなどを求める要望書を鈴⽊康友静岡県知事に提出。静岡県は同日、ヘリによる救助費用の有料化や登⼭道規制強化の議論を始めた。













