富士宮市長は「登らないでいただきたい」、しかしネットで反対署名が…
富士山は静岡県と山梨県にまたがっているが、閉山期の登山禁止を求める動きは主に静岡県側で起きている。
旗を振るのは富士宮市の須藤秀忠市長だ。4月10日の定例記者会見で、
「あっち(登山者)は勝⼿に登りたいと⾔ったって、こっちは責任上どうしても助けなきゃなんない。そういう事態に陥る前に登らないでいただきたい」
「遭難しても助けてもらう時に⾃分の費⽤負担がいらなくて済むなんていうこと⾃体が安易すぎる。考え⽅がズルい」
と話し、論争に火が付いた。
富⼠⼭の4つの登山道は夏山期間のおおむね7、8月の2か月間だけ入山が可能だ。それ以外の時期は5合目以上の登山道が閉鎖されるものの、立ち入りはできる状態だ。
そうした中、ことし3月にはスキー目的のスウェーデン国籍の女性とニュージーランド国籍の男性が滑落する遭難事故があった。近年、こういった外国人の閉山期の遭難が目立ち、この時期の入山に厳しい目が注がれている。
このため、すでに埼玉県で導入されている防災ヘリによる救助の有料化の検討が、静岡・山梨両県で始まっていた。
ただ須藤市長の「登らないでいただきたい」「考え方がズルい」という発言は従来のスタンスを超えた「登山者への命令や非難」と受け止められ、登山家から撤回要求が生まれた。ネットには「富士山の『夏季以外の登山一律禁止』ルール化に反対します」と題する署名が登場。市長の発言に抗議し撤回を求めるとし、こう続ける。
〈(発言は)登山者全体を一括りにし、誤解を招く極めて問題のあるものです。(中略)適切な準備と自己責任のもとで自然に向き合う登山行為は尊重されるべきです。また、環境省や関係自治体も、冬季登山に対して一律禁止ではなく「万全な準備」を前提とした注意喚起を行っています。
(中略)実際の遭難事故を見ても、その多くは準備不足や情報不足によるものであり、とりわけ近年は外国人登山者によるケースが増えています。問題の本質は「冬山登山そのもの」ではなく、正しい知識やリスクが十分に伝わっていないことにあります。それにもかかわらず、一律禁止という極端な手段で解決を図ろうとする姿勢には大きな疑問があります。〉
そして求められるべきなのは「安全性を高める制度設計」だと提言。特定エリアへの登山届の義務化や事前講習制度、遭難救助費用の明確化など、他の地域で導入されている制度を参考にするべきと求めている。













