「僕はめっちゃ絵がうまいわけじゃないので…」

――それらを踏まえて、今回の本はどんなコンセプトで作られたんでしょうか。

内容としては、“神様”が作ったおかしな世界に主人公の少年“ただしくん”がツッコミを入れていくというストーリーです。絵本の中では「ツッコミ」とは言っていないんですけどね。単独ライブに合わせて発表することやそもそも僕が描くというところで、自分の「人(ニン)」(芸人が生まれ持っている人間性・個性・キャラクター)みたいな要素も少し入れながら、さっき言ったような人気のエッセンスを掛け合わせて作らせてもらいました。

――絵本は絵柄も重要になると思いますが、ケムリさんが描かれたそうですね。どうやって決めたんですか?

僕はめっちゃ絵がうまいわけじゃないので、コピー用紙にクレヨンとかパステルとか鉛筆とか太さの違うボールペンとかサインペンとかいろんな画材を使っていっぱい描いて、描きながら「これがいい」って決めていきました。

主人公のただしくんの感じは結構お気に入りです。丸っこさとかちょっと困ってる雰囲気がかわいくて、ツッコミっていうところとも相性がよさそうだったんで、この絵になりました。なんとなくヨネダ2000の誠みたいな感じでいいな、と(笑)。

絵本『ちがうちがう』の主人公の少年
絵本『ちがうちがう』の主人公の少年

――たしかにちょっと似てます(笑)。描いていて苦労したのはどんなところですか?

神様のビジュアルを決めるのが難しかったです。いろんな方が描かれた神様の絵を見てみたんですけど、やっぱり宗教的な神様っぽいモチーフのものが多くて、クセのない神様って案外少ないんですよ。しかも描いてて気を抜くとすぐサンタクロースになっちゃって……デフォルメされた中で神様感をいかに出すか、結構大変でした。

――個人的には、途中で出てくる虫の絵が妙に細密なところに虫好きのケムリさんらしさを感じました。

あ、そうなんですよ。クワガタなんてマジで何も見ずに一瞬で描きました。多分、見る人が見たら「ヒラタクワガタだ」ってわかると思います。テントウムシやハチも、ちゃんと頭・胸・腹に分かれてるあたりに虫好きが出てますね。こだわったわけじゃなくて、描いてみたら自然とそうなりました。虫以外も、どれも描いていて楽しかったです。

――単独ライブでは『ちがうちがう』を子どもたちに読み聞かせる映像が流れましたが、リアクションはどうでした?

各ページにツッコミが文字で書かれているんですけど、絵を見た子どもたちはもっと別の細かいことを言ってくれるんですよ。それが面白かったです。あと、新たな学びが一個あって。年齢が結構下の子だと、変だと思ったところを指さすだけなんですよね。

気づいていても口には出さない。それを見ていて、何がどうおかしいかを言語化すること自体、小さい子にとってはあんまりやってきてないことなのかな、と思いました。そういう意味では、もしかしたら子どもの脳にも刺激があって意外といいかもしれません。