10年以上無給で続ける“名誉”の仕事
こうして2015年に在名古屋ガンビア共和国名誉領事館が開設された。そして、2019年に同領事館は総領事館に格上げされる。
名誉総領事とは一体どんな仕事なのか。
「総領事は政府に雇われた外交官ですが、名誉総領事はあくまで名誉職です。報酬も支援金もありません。10年以上続けていますが、基本的には自分で働いて稼いだお金で活動しています」
その業務は主に3つある。
「1つ目はガンビアの広報活動です。ガンビアという国の文化を日本で広めるために、会議や講演で県外にも足をのばします。特に去年は万博があったので、関西方面にも何度か足を運びました。万博会場では、コモンズという小さな共同パビリオンに展示をしました。費用の見積もりもしましたし、展示の内容についてもガンビア政府と万博協会側の間の仲立ちを行いましたよ。また、日本政府主催のアフリカ開発会議(TICAD)にも同様に出席します。
ガンビア政府の人間が来日した時は、彼らのホテルの予約や、スケジュールの管理なども行います。今は2027年の国際園芸博覧会に向けての会議が行われており、それにも参加しています」
「2つ目の業務はビザの発給や証明書の発行です。ガンビアには毎年だいたい50~100名の日本人が訪れます。観光目的とビジネス目的が半分ずつくらいですね。外務省のホームページから私の番号を見つけて電話で問い合わせてこられる方が主です。
必要書類について説明し、必要事項を記入したうえで提出してもらい、本国にも大丈夫か確認をしてビザを発給します。
ビザを発給してからもそこで終わりではなく、『どこのホテルが安い』『どこの場所が観光に適している』みたいなアドバイスも継続して行いますよ。せっかく訪れてくれる人がいい経験だったと思ってもらえるようにしたいですからね」
名誉総領事館に訪れるガンビア人についても語ってくれた。
「逆に、名誉総領事館を訪れるガンビア人は毎年50人くらいです。パスポート更新のための必要書類について説明したり、冠婚葬祭などガンビア本国と連絡が必要な手続きをする窓口業務を行なったりしています」
総領事館と違って“名誉”総領事館ではできない業務もあるという。
「在名古屋ガンビア共和国名誉総領事館は、名称に“領事館”とはついていますが、パスポートの発給はできません。そこが正式な総領事館との大きな違いですね。残存期間が足りなくなった場合にそれを延長する手続きは可能です」
他にも、日本在住のガンビア人の相談窓口としても活動しているようだ。
「3つ目の業務は、いま日本にいる200人ほどいるガンビア人たちの相談窓口です。電話で生活のアドバイスをしています。日本語の勉強の仕方を聞かれたり、安いスーパーや食材について教えたりすることなんかはよくありますよ。ですが、どうしても私ひとりでそれを引き受けるとなると、すべてに対応することは難しいです。大使館があれば外交だけでなく、日本在住のガンビア人の生活もよりよくなると思います。やはり大使館がほしいですね」













