稼いで貯めることの落とし穴
若いうちのほうがお金の価値は高い。だからこそ、お金は若いうちに使ったほうがより多くの対価を得られることは、ここまでお伝えしてきた通りです。
ただ、20代や30代のサラリーマンだと会社の給料だけでは収入に限界があるため、節約して貯めることに躍起になりがちです。
現代は昔に比べれば「貯蓄から投資へ」という流れに少しずつ変わってきているように感じますが、それでも日本人はまだ「お金は貯めるべき」と考える人が大半の印象です。
「将来のため」「子どものため」「老後のため」と、お金を貯め込むことに何の疑問も抱かない人がほとんどではないでしょうか。
もちろん現金を持っておくことは大切ですが、それだけにこだわってしまうと、せっかくの人生、楽しい経験や思い出を得られないままになってしまいます。お金は使ってこそ、初めて価値を生むからです。
あなたは日本人がいつ一番お金持ちなのかをご存じですか?
答えは「この世を去るとき」です。
2020年にMUFG資産形成研究所が行ったある調査によると、遺産相続の平均額は3273万円、中央値は1600万円とされています。
つまりは、日本人の多くは「人生の時間を使って、頑張って稼いで貯めた約1600万円ものお金を使わずにこの世を去っている」のです。
汗水を垂らし、嫌な仕事や気の合わない上司・同僚との人間関係に耐えながら、人生を捧げて稼いだ1600万円。
その大切なお金を使わずに死んでしまうのは、これまでの人生の時間を捨てているようなものではないでしょうか。
もちろん、これだけの額があれば、残された家族は金銭的に助かる面もあるでしょう。
自分が死んだ後のことを考えて、家族にお金を残すためにあえて使わずに貯めている人もいると思います。
しかし、自分の人生をもっと楽しくできたはずなのに、その価値を得ずにこの世を去るのは、僕はあまりにもったいないなと感じてしまいます。
貯金ばかりにこだわってしまうと、お金のために働いた人生の時間を無駄にしてしまうという大きな落とし穴があるのです。
『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著)という、日本語版刊行からわずか4年半で50万部を突破した大ベストセラーの書籍があるのですが、この本でも「お金はただ貯めるのではなく、人生の最も価値ある時期に経験へ投資すべきだ」と述べられています。
「ゼロで死ね」というタイトルの通り、稼いだお金は経験や体験にどんどん使ったほうが、より豊かで幸せな人生につながりやすいのです。













