韓国ではストーカー対策で導入済み
実は政府は2020年6⽉に決定した『性犯罪・性暴⼒対策の強化の⽅針』で、『仮釈放中の性犯罪者等にGPS機器の装着を義務付けることについて、2年程度を目途として諸外国の法制度・運用や技術的な知見等を把握し、その結果も踏まえて所要の検討を行う』と表明している。だが、いまだに結論が出る見通しがない。
いっぽう裁判所が被告を保釈する際、海外逃亡の恐れがあると判断すればGPS装着を命じられる制度が2028年までに施行されることが決まっている。
「このためストーカーへのGPS装着の検討に時間がかかりすぎているとの指摘が国会で出ました。三⾕英弘法務副⼤⾂が『検討の加速を法務省に指示したい』とやや前向きな答弁をしています」(政治部記者)
この制度は隣国の韓国が先を行っている。
「韓国では2008年に性犯罪者を対象とする位置追跡電子装置制度が施行され、その後未成年者誘拐や殺人、ストーキング前科者にも対象が拡大されました。
ストーカーの場合、被害者に一定の距離まで近づくと被害者にそのことを知らせるメッセージが送られる仕組みが運用されています。さらに加害者が接近すればその位置や移動ルートをスマートフォンの地図画面で見ることができるモバイルアプリが開発され、ストーカー対策などで導入されています」(韓国記者)
現行のものでも韓国の制度が日本にあれば春川さんは廣川容疑者の接近を知ることができたかもしれない。だがシステムだけでは防げない事例も起きている。
「韓国では3月に、ストーカー男が元交際相手を刺殺する事件が起きました。被害者は事件前、男が車に取り付けた位置発信機を見つけて警察に相談し男の接近を察知できるようストーカー被害者としての保護措置を求めていました。しかし対応した警察官が放置しているうちに事件が起ました。この事件では警察対応の不備が問題化し、李在明大統領は厳正な点検・措置を指示。警察は複数職員の処分方針を示しています」(韓国記者)
ストーカー犯罪をどう抑え込むのか。重い問いが突きつけられている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













