「出航の判断は事故で亡くなった『不屈』の船長に一任されていた」
第11管区海上保安本部(海保)による家宅捜索は「春分の日」の3月20日朝から行われた。
辺野古沖で転覆した「平和丸」「不屈」の2隻を管理・運航していた「ヘリ基地反対協議会」と称する団体の名護市街の事務所、辺野古漁港近くにある団体の活動拠点の2カ所に海保の捜査員が入った。
捜査員は、事務所から押収品が入っているとみられる段ボールを運び出したほか、拠点内のプレハブ小屋やテント内の掲示物などを調べて2時間以上にわたって捜索した。
「海保は、業務上過失致死傷や過失往来危険の容疑での立件を視野に強制捜査に踏み切りました。今後、海上運送法で定められた『内航一般不定期航路事業』への登録の不備があった疑いも視野に調べを進めるとみられます」(地元メディア関係者)
ホームページなどによると、団体が発足したのは1997年。沖縄に関する特別行動委員会(SACO)での日米合意により米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古のキャンプ・シュワブが浮上。
現工事の前身計画となる、辺野古沖への「海上ヘリポート案」の受け入れを巡る住民投票に向けて「反対」の意思を示す市民や団体が集まって結成された「名護市民投票推進協議会」がその前身だ。
住民投票では「反対」が「賛成」を上回ったものの、当時の市長が受け入れを表明したため、「海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会(略称・ヘリ基地反対協議会)」と名称を変更し、「新基地建設反対」を掲げる抗議活動を続けてきたという。
22日には、転覆船の実況見分も行われ、海保は捜査を本格化させている。
「今後、捜査の焦点となりそうなのは、団体内での指揮系統の解明です。団体によると、当日の出航の判断は事故で亡くなった『不屈』の船長に一任されていたそうです。
事故当日の現場では波浪注意報が発令されており、生徒たちを乗せて船を出す判断を下した船長には業務上過失致死傷などの容疑がかかりますが、本人が亡くなっているために被疑者死亡で公訴棄却の判断が下される見込みです。
ただ、船の管理は団体側が行っていたわけで、団体メンバーの誰に責任を問うべきかの判断を慎重に見極めることになりそうです」(同)












