マンション価格はどうなる?

今後のマンション価格は、購入を検討する多くの人が、最も気になるテーマの一つでしょう。人口減少・空き家増加・金利上昇など不動産価格暴落と紐づけされるキーワードがいくつかあります。マクロ環境が大きく変わっていく中で不安に感じるのも無理はないと思います。そこで本記事では、こうしたキーワードをひとつずつ取り上げながら、今後のマンション価格について整理していきます。結論を先に述べると「マンション価格は今後も値上がる可能性が高いが二極化が進んでいく」と予想しています。

人口減少
マンションを購入する層が変わらないまま人口だけが減少すれば、購入需要は縮小し、価格の下落に繋がると考えられます。しかし、実際は、購入者の属性が変化し、多様化しています。近年、シングル・シニア世帯の購入が活発になっているなど、購入層にも変化がみられています。新築マンション購入者に占めるシングル世帯の比率が2010年は12.8%だったのに対し、2024年は17.8%まで上昇しています。同様にシニア世帯は2010年2.1%から2024年は7.1%に上昇しています。

不動産はいずれ暴落するのか? 人口減少・空き家増加・金利上昇…数々の不安要素と「それでも価格上昇は続く」と言える理由_1
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かつては「結婚したら家を買う」ということが一般的でしたが、価値観やライフスタイルの多様化に伴い、マンションの購入層も多様化しています。また昨今の急激なマンション価格の上昇に伴い、20代の購入が増えていることも特徴的です。結婚するまで購入を待っていると価格が高騰し買えなくなってしまう可能性がある。それならば早々にマンションを購入しインフレリスクを回避しようという動きが加速しています。このことからも分かる通り人口減少というマクロな視点だけで需要を判断してしまうと市況を見誤る可能性があります。

一方で供給面を見ると、新築マンションの供給戸数は減り続けています。不動産経済研究所のデータによると首都圏で販売された新築マンションの戸数は2015年度に40,449戸でしたが2024年度には23,003戸と約4割減っています。検討者が多様化している一方で供給数は減り続けています。

不動産はいずれ暴落するのか? 人口減少・空き家増加・金利上昇…数々の不安要素と「それでも価格上昇は続く」と言える理由_2

需要に対して供給が不足すれば価格は上昇圧力がかかります。また土地価格・建築コストが増加していることに加えてデベロッパーは高値販売できる好立地の企画に注力していることもあり、新築マンションの価格は今後も上昇傾向が続く可能性が高いでしょう。

空き家増加
空き家の増加も、マンション価格の下落要因としてよくあげられます。確かに、日本全体で見れば空き家は増えており、今後もその傾向は続くと考えられます。ただし重要なのは、その空き家が、現在のマンション購入検討者の選択肢になり得るかどうかです。

リクルートのデータによると2024年の新築マンション購入者の世帯平均年収は1,129万でした。また夫婦で購入している世帯の75%は共働きです。つまり都内で働いている共働き会社員が多数を占めます。そんなマンション購入検討者がこれから出てくる空き家に住むという選択を取る可能性は低いです。空き家の多くは、立地や築年数、建物の状態などの面で、購入検討者のニーズと合致しないケースが多いためです。マンション購入検討者の購入候補にならなければ、どれだけ数が増えてもマンションの価格に影響を与えません。

今のマンション購入検討者が求めているのは都内アクセスがよく、できれば駅近、築浅のマンションです。新築マンションの供給数減少の影響もあり、こうしたマンションは決して供給過剰になっていることはないため、空き家問題が価格に与える影響は限定的でしょう。