収入頭打ち、認知症、火災リスク…高齢者が嫌がられるこれだけの理由
不動産屋は高齢者に対して優しくありません。収入がなくなることを嫌うだけでなく、高齢になることによるリスクに敏感だからです。
たとえば65歳を過ぎたあなたが一人で暮らす前提で賃貸マンションの申し込みに来たとします。十中八九断られます。理由は「高齢者である」からです。いやいや毎日身体を鍛えて健康体だし、毎年の人間ドックの結果もなんの問題もない、頭だってまだまだ大丈夫。どんなに説明し、粘っても徒労に終わります。
高齢者だとなぜ貸してくれないのでしょうか。まず、大家が嫌がります。理由は簡単です。高齢者は収入がこれから先上がっていく見込みのない人が多いので、賃料の値上がり期待がほぼゼロであることです。前述したように日本の借家法は賃借人にやさしい法律なので、年寄りをいったん入居させると死ぬまで出ていかないことになります。賃料が上がらないわ、出ていかないわの状態になることを嫌うのです。
管理する不動産屋にとっても高齢者は厄介な存在です。認知症を発症すると賃料の滞納が心配です。取り立てようにも会話がうまく成立しない。いったんはわかったつもりになっているだけで実際には支払ってもらえないなど手間が格段にかかります。
また、認知症がすすむと部屋の管理がおろそかになり、ごみ屋敷化するのではないかという心配がでてきます。さらにコンロの火の消し忘れなどによって火災が発生するリスクも高くなります。火災保険に入っているといえども、いったん火災が発生すると大損害です。環境の悪化を嫌ってほかの賃借人に出ていかれると、埋め戻すにもひと苦労です。
そしてもっとも避けたいリスクが室内での孤独死です。世の中でおひとりさま(ぼっち)が増え続けた結果、今社会問題となっているのが孤独死です。その数は警察庁の推計によれば2024年で年間7万6000人。その76%にあたる5万8000人が65歳以上の高齢者とされます。
高齢者はいったん契約してしまうと、退去する可能性は低く、今がどんなに元気であっても高齢であるためにやがて健康を害する、認知症になるなど管理コストが高くなる。そして最後は部屋内で孤独死する。このパターンを大家も不動産屋も嫌うのです。













