金利上昇の影響が軽微であると考える理由
金利上昇
日銀のゼロ金利政策が終了し、住宅ローンの変動金利も上がり始めました。金利が上がることでマンション価格は同じでも毎月の支払額が増えるため、マンション価格の下振れ要素になると思われがちです。しかし、私はその影響は軽微であると考えています。
なぜなら多くの人は、「支払える範囲」の中で物件を探しているからです。たとえば、賃貸マンションを探す際は「支払い可能な賃料でソートをかけて、その中で最も条件に合うところを選ぶ」人が多いと思います。借りることのできないエリアのマンションばかりを見ている人はほとんどいないでしょう。購入においても、それは同じです。金利を含めた総支払いコストが予算内に収まるエリアの中で自分にマッチしたマンションを探す人が大多数のはずです。そのため、金利上昇によって即座にマンション価格が下がるということは考えづらいです。
また、新築マンション購入者の平均世帯年収は2010年の765万から2024年は1,129万と大幅に上昇しており、ペアローンの利用率も過去最高値を更新しています。購入検討者が「同じ予算のまま、同じエリアにとどまり続ける」のであれば、金利上昇は価格下落に繋がります。しかし現実には、支払い可能な範囲に応じて検討エリアを調整する動きが主流となっています。
原価の上昇
建築資材の高騰、人件費の上昇に加えて、ゼネコンも安値での受注は控える傾向にあり、結果的にマンション建築にかかるコストは大きく上昇しています。実際、急激に原価が高騰したことで計画が頓挫してしまった再開発計画も出てきています。またデベロッパーの決算資料を見ると土地の仕入れ価格も上昇しています。一例として野村不動産の決算資料を見ると、マンション1戸あたりの土地価格は2021年時点では7,084万円/戸だったのが、2024年では11,079万円/戸と約1.5倍に上昇しています。
マンションの価格は主に土地価格と建築費で決まりますが、その両方が急激に上昇しています。また供給数を絞り込むこともトレンドとなっており、デベロッパー側が急いで安売りをする必要もありません。今新築マンションを販売している多くは上場して体力のある大手デベロッパーになっており、資金繰りを理由に投げ売りをすることは考えづらいです。よって新築マンションの価格は当面上昇が続く可能性が高いです。中古マンションの価格は新築マンションの影響を強く受けるため、中古マンションの価格も上昇する可能性が高いでしょう。
もちろん全てのマンションが同じように上がっていくわけではありません。希少性のあるエリアや選ばれやすい特徴のマンションはより強く価格上昇し、そうでないマンションはなだらかに上昇もしくは横ばいになっていくと予想しています。













