「まだ動くんだ」「死んでますね」と被害者の頭を蹴った高野被告に求刑20年
公判で検察側は、高野被告が佐藤さんの配信予定を確認してから事件前日に勤務先に欠勤することを伝えたなど、犯行の計画性を指摘。犯行後に倒れた佐藤さんをスマートフォンのカメラで撮影しながら「まだ動くんだ」「死んでますかね」などと口にし、さらに頭部を蹴ったとして、「被害者の尊厳を踏みにじる行為」と厳しく非難した。
一方で検察側は、佐藤さんが高野被告から借りた金の返還を命じる民事判決に従わず、高野被告が貸したお金を回収するため佐藤さん名義の預金口座を差し押さえる事態を招いたことについて、佐藤さん側にも落ち度があったと認めた。
ただし、「殺害されるほどの落ち度はない」と強調。犯行への影響や刑の重さへの反映が争点となった高野被告の特性とされるASD(自閉スペクトラム症)についても、「一定程度関与した可能性はあるものの、直接的な影響はなく、あくまで遠因にすぎない」と退けた。
加えて、犯行の様子が生配信され、視聴者や現場の通行人に強い恐怖を与えた社会的影響も重いとして、懲役20年を求刑した。
続く最終弁論で弁護側は、被害者が被告に借金を返済しないことによって金銭的に困窮させられただけでなく、家族との関係も悪化し、死を意識するまで追い詰められたとして、「先に踏みにじられたのは、高野さんの尊厳です」と訴えた。
また、佐藤さんに返還を求めていたのも、投げ銭やキャバクラ代ではなく、消費者金融から借りて貸し付けた金で民事訴訟で返還命令を勝ち取ったことも強調。しかし被害者からの返済は3万円にとどまり、「高野さんは法を守って問題を解決しようとしましたが、その法は高野さんを守ってくれませんでした」と力を込めて述べた。
長年抱えてきた苦しみに加え、抱えた特性であるASDにみられる、相手の真意をくみ取りにくく、対人トラブルによる感情を解消しにくいといった特性も量刑に反映すべきだとして、懲役9年が相当と主張した。













