撮影現場に現れた小さな「お銀」
——お銀のスタイリッシュな衣裳や、ダイナミックなアクションも印象的でした。
レギュラーになるとき、逸見さんから「自分で衣裳を考えていいですよ」と言われたんです。「かっこいいくノ一がいい!」と思い、自分でデザインしました。着物をミニスカートのように短く切って、私がバレエをやっていたこともあり網タイツを合わせました。足元はファスナーが見えないようなブーツにして。東京の靴屋さんに特注で作ってもらったんですよ。
アクションでは、バレエや合気道の経験を活かして足を高く上げたり、回し蹴りを取り入れたり、長い刀ではなく、短い剣を振り回すことでダイナミックさを出しました。悪役のスタントマンの方々が「本当に突いてきてもいいよ」と言ってくださるのですが、怪我をさせてはいけないと気を遣いながら、でも悪を成敗する立ち回りは爽快で大好きでした。
お銀は変装の名人という一面もありましたから、町娘や芸者、男の子、ときにはやくざ者など、様々な変装にチャレンジできたのも楽しかったです。
——『水戸黄門』に長く出演される中で、特に嬉しかったエピソードはありますか?
あるとき、撮影現場にお母さんと小さなお子さんが見学にいらしたのですが、その子が私とそっくりな忍者の衣裳を着てきてくれたんです。わざわざお母様が作ってくださったそうで、そのちっちゃな「お銀」がすごく可愛くて、一生懸命真似までしてくれて本当に嬉しくて感激しました。
お銀となり40年、番組を終えてから10年以上経ちますが、今でも全国で再放送されているので、街を歩いていると小さなお子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで声をかけてくださいます。演者やスタッフの皆さんとは家族より長く一緒に過ごし、嘘いつわりなく楽しく仕事ができたことは、私の一生の宝物です。
時代は60年周期で移り変わっていくという。そんな節目を迎え、ますます輝きを増す由美かおる。いくつになっても周りへの感謝を忘れない、そんな彼女がこれからも何かを見せてくれるのでは?と期待せずにはいられない。
後編では、15歳から1ミリも変わらないスタイルの秘訣、健康法について聞く。
取材・文/木原みぎわ













