着物文化の衰退に業者は危機感「政治が動かないと無理」
着物の宅配レンタルを行なう「京都のかしきもの」の担当者も、着物選びのポイントについてこう話す。
「訪問着などの中には原色に近いものもあり、色味が濃すぎるような色柄は保護者という立場の場合はあまり好ましくないかもしれません。
帯についても、金帯は卒業式等のおめでたい場には相応しいですが、柄が大きかったり、金糸がふんだんに使用されたものはどちらかというと結婚式向けで、卒業式では悪目立ちしてしまうかもしれません」
着物とモーニングのレンタル専門ネットショップ「マイセレクト」の担当者も、「華やかさに関しては『抑えたほうが無難です』とアドバイスさせていただいております」としたうえで、「着物の着方は時代によって変化するもの」だと指摘する。
「昭和30年から50年あたりは、訪問着ではなくて色無地や小紋の上に黒の絵羽織を合わせるスタイルが一般的で、ほとんどのお母さま方は着物で(卒業式などの行事に)出席されていました。
ただ、今はどちらかというと着物のほうがマイノリティになってしまっています。着物を着て批判されることが、着物文化の否定に聞こえてしまいますが、これ以上着る人が減ったら、日本の文化がなくなってしまうのではないでしょうか」
同担当者は「政治が動かないと無理」と強い危機感を示したうえで次のように訴えた。
「学校の道徳や家庭科の時間などで着物に触れる機会を作ったりしない限り、着物文化はおそらく戻ってこないと思います。
戦後、GHQが着物から洋装化への転換を進めた影響もあり、着物離れが進んできた経緯がありますが、少しでも着物に親しむ人が増えてほしいと思います」
ファストファッションが主流の現代では、着物に対して「ハードルが高い」と感じる人も多いだろう。記者自身もその一人だが、一度袖を通すと自然と背筋が伸び、気持ちが引き締まる。
祝いの場だからこそ心も整えて臨む――これが着物の本質なのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













