「金太郎、帰郷する。」(集英社文庫・コミック版3巻収録)
勉強もしないでトップクラスの進学校に合格
『サラリーマン金太郎』といえば、元暴走族総長の破天荒サラリーマン。喧嘩は強いが勉強は苦手そう――そんなイメージを持っている人も多いだろう。だが第34話では、そんな印象を少し覆す事実が明らかになる。
実は金太郎、もともとかなり頭がよかったのだ。
この回では、金太郎が息子の竜太を連れて故郷へ帰る。目的は、亡き母の墓参り。海の見える町で竜太と駅弁を食べたり、子どものころ泳いだ海を見せたりするなかで、金太郎の生い立ちが少しずつ語られていく。
その一つが、高校受験のエピソードだ。
金太郎はろくに勉強をしていなかったにもかかわらず、県内でもトップクラスの高校に合格していたという。ところが彼はその高校には進学せず、東京の夜間高校へ進む。
叔父はその理由をこう推測する。母の思い出が残る故郷から、離れたかったのだろう、と。
そしてもう一つ、この回で明かされるのが金太郎の父の秘密だ。
金太郎の父は、かつてヤクザの世界に身を置いていた男だった。抗争の中で、部下が犯した殺人の罪をかぶり、自ら刑務所に入る。その結果、金太郎は3歳のときに父と別れることになった。
母は苦労の多い人生を送りながらも、父の悪口を一度も言わなかった。
「男らしくてとても立派な人だよ」
そう語り続けていたという。
墓参りに来た金太郎は、そこで父と再会する。父はすでに出所していたが、自分には家族に戻る資格がないと言う。それでも金太郎は、父に声をかける。
「いつでも来いよ。孫を抱きたくなったら……」
破天荒で喧嘩っ早い男だが、どこか不器用で優しい。第34話は、そんな金太郎の人格のルーツが見えるエピソードでもある。
金太郎そっくりの父親の姿、そしてなぜ彼の部下は殺人を犯したのか――その真相は第34話でぜひ確かめてほしい。























