「常に命の危険を感じ、心が休まる時間がありませんでした」
担任教師は和威さんの置かれた状況を、本当に把握していなかったのだろうか。そう尋ねると、和威さんは目を伏せ、首を振ってこう答えた。
「僕が教室の後ろの方で暴力を受けているとき、何度か先生と目が合ったことがありました。けれども、先生は見て見ぬふりで、止めようとはしてくれなかった。
のちの裁判で、先生はその光景を“じゃれあい”とか“プロレスごっこ”と思っていたから止めなかったとおっしゃっていましたが、その時の僕は、『いじめを見ても何もしてくれないなら、話しても無駄だろう』と絶望してしまった」
加害生徒たちが担任を「オモチャ」と呼んで見下し、「チクっても無駄」と言っていたことも、和威さんが学校側にいじめを相談することをあきらめた要因の一つとなった。
和威さんが誰にも助けを求められない状況下で、学校内でのいじめは度を超えたものに変貌していったという。
「加害者生徒たちはエアガンを学校に持ちこむようになり、教室でも僕を撃ち始めました。床に散らばるBB弾を、『お前が拾わんと、バレるやろうが!』と拾わされることもありました。
カッターナイフやハサミなどの刃物を目や首元、腕などに突きつけられたり、技術の時間には、ノコギリを8の字に振り回しながら迫ってきたりすることもあった。
彼らは、『13歳は人殺しても捕まらんのやけん』とも言っていました。学校の中でも外でも常に命の危険を感じ、心が休まる時間がありませんでした」
のちの裁判でも事実関係が認められた、こうした凶悪ないじめ行為の数々。だがそれも、和威さんが経験した地獄のほんの一部に過ぎない。夏休みを境に、加害者たちの言動はさらに凄惨さを増していった。
2につづく
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













