いじめの後遺症が襲った中1の秋
ナナミさんがPTSDと強迫性障害と診断されたのは中学1年生の10月のことだ。「いじめ」を受けた小学校5年生の頃より、食事をとれなくなったり眠れなくなったりすることがあったが、この頃はそれに加えてめまい等、たくさんの症状に悩まされるようになったという。
診断されてから今日まで不安を和らげる薬と睡眠薬を服用しているという。当時の様子についてナナミさんの母親が語る。
「ナナミは、中学校に入学してからも学校に行きたいという思いは変わらず、喜んで登校していました。いじめの加害児童のうち3人は同じ中学校でしたが、中学に上がってからは『いじめ』はなくなりました。
しかし、ナナミの体調が日に日に悪くなり、それこそ這うようにして家を出て登校するようになり、心療内科を受診するとPTSDと強迫性障害だと診断されました。以前の『いじめ』が原因で『学校に行くことが心理的に負担になっている』と、主治医からドクターストップがかかりました」
学校に行けなくなったナナミさんはリビングのソファに座って、窓から外を見てぼーっとして過ごしたり、深夜に散歩をするようになったという。強迫性障害の不潔恐怖で、家族が触ったものすら触れなくなる状態だった。母親が続ける。
「病気自体は完治するのは難しいとのことですが、状態はその時々によって違います。一番ひどかった時は家に帰ってきて玄関で制服を脱いで、頭からアルコール消毒を浴びるようにしないと家に入れなかったという時期もありました。外気に触れるのも汚れていると感じていたんです」
ナナミさんも自身の症状についてこう語る。
「病気になる前だったら何も思わなかったのですが、すべてが汚く思えてしまって……。自分の物は誰にも触られたくないし、他人の物についても触りたくないという状況で、家族についても同じように感じていました」
中学校に行きたいという希望は叶わず、卒業式にも出ることはできなかった。夕方、中学校に卒業証書だけを取りに行くと、校長、担任、学年の先生らが卒業式の時の袴姿のまま校門の前でナナミさんを出迎え、1人だけの卒業式として卒業証書を授与してくれたという。













