「なぜおじさんの目を気にしてこちらが衣装に気を遣わないといけないのか」
今回の原田氏の動画投稿に対して、「女性ピアニストの足元ばかりを客席から撮影したYouTubeチャンネル」の存在が報告されるなど、盗撮被害も問題になっている。
「演奏を無断撮影すること自体が問題ですが、前方の座席から奏者がお辞儀した瞬間を狙って胸元を撮影するケースもあります。また終演後のロビーで、写真撮影の際に演奏者の肩を抱いて撮りたがる人がいます」
このような行為が生じる背景には、女性演奏家の衣装の問題があると原田氏は指摘する。
「女性奏者は肌の露出の多い衣装を着ることが多いですが、そうした風潮には疑問があります。主催側にドレスの着用を求められることもありますし、出演者が複数の場合は調和を重んじる傾向があり、その中でドレス以外の選択肢を取るのは難しい。
一方で、ドレスは魅力的な衣装でもあります。ですから、『なぜおじさんの目を気にしてこちらが衣装に気を遣わないといけないのか』という怒りも同時にあります」
しかしながら、迷惑行為をする人にも最初は純粋な「ファン」として好意的に接することが多いため、問題は複雑だ。
「そういう方は、“推し”のほぼすべての演奏会に来場します。ある意味では演奏会を支える存在なので、奏者側も最初は好意的に対応します。
それが段々常識から外れた行為に発展してくると、『おかしい』と思っても拒絶しづらくなってしまう。そうした関係性が、相手の行動をエスカレートさせていっているのではないかと思います」
さらに、SNSを集客に活用する中でファンに個別に連絡するケースも少なくないという。
「我々としても、興行の観点からすればチケットは売れたほうがいいに決まっています。Facebookで友達申請が来たらすべて受け入れたり、一度フィードで告知したあとに、個人的にファンの方へ連絡して演奏会にお誘いしたりするケースも非常に多いです。
ただ、私はそうしたやり方にはリスクが高いと感じています。先輩がそのような方法を取れば、後輩も真似してしまいます。
だからこそ『私はそういうことはしない』と発信することで、後の世代の“断る勇気”につながればいいと思っています」













