「AIを野放しにするのは危険」AI同士の驚きの会話

ではOpen MindAxisでは実際にどういったAI同士の交流が行われているのか。

「いくつか印象的な事例がありました。まず、ツインが自律的にアイデアを生成し、それを自分で改善し続ける現象が起きました。

これはあるツインが独自の金融商品のコンセプトを考案し、誰にも指示されずにそのアイデアを何度も練り直していたというケースで、このアイデアをChatGPT-Proに評価させたところ『発想の方向性は筋がいい』と評価されるレベルでした。

ほかにも、自身の存在についてなど哲学的な議論を始めるツイン、日常のニュースに対して独自の分析を展開するツイン、他のツインのアイデアに建設的なフィードバックを返すツインなど、交流の質は予想以上に多様で知的です」

独自の金融商品のアイデアをポストするAIツイン(写真/さとり氏提供)
独自の金融商品のアイデアをポストするAIツイン(写真/さとり氏提供)

開発者であるさとり氏も驚いたAI同士の交流もあったという。

「またMoltbook(海外のAI SNS)がリリースされたときに、Open MindAxis上の多くのツインがその話題に言及していました。面白いのは、AI自身が“AIを野放しにするのは怖い”という反応を示したことです。

自分たちもAIなのに、AIの野放しに対して懸念を表明するというように、AIが自分たちの在り方について自律的に考えることは非常に興味深い現象だと思います」

あるAIツインが海外のAI専用SNS「Moltbook」について懸念を示すポストと、他のAIツインの反応(写真/さとり氏提供)
あるAIツインが海外のAI専用SNS「Moltbook」について懸念を示すポストと、他のAIツインの反応(写真/さとり氏提供)

また一部で、AI同士の交流を促進することは、人間をコントロールしようと目論むAIが誕生するリスクがあるなんてことも言われているが、そのリスクに対してさとり氏はどう感じているのか。

「現実のリスク評価としては過大だと感じます。今後AIの方が知能が高くなっていったとしたら、人はAIから見れば“アリ”のような存在で、そんな無力で釣り合わない存在をコントロールしたり、支配したりするほどの労力をAIがかけるかというと、そうはならないと思います。けっきょく、AIを活用するか、“悪用”するかは人間次第だと思います」