高市首相の虎党ぶりは本物か
――『六甲おろし』でいうと、コロナ禍での球場観戦において声援自粛が叫ばれるなか、一部の阪神ファンだけは得点時に『六甲おろし』を合唱し、問題視された時期がありました。
おそらくですが、あれはあえて歌っていたというより、体に染みついちゃってるんですよね(苦笑)。私もですが、タイガースが得点すると『六甲おろし』を歌うものだという……。
実際、私が脳にデバイスを付けて、『六甲おろし』を歌いながらヘモグロビンの活動を観察した際も、研究者から「この歌が、体に染みついちゃってますね」と言われました。言わば“パブロフの犬”みたいなものでしょう。
――条件反射、だと(笑)。そういえば、高市早苗首相も虎党を公言していますね。
高市さんの場合はポーズではなく、ガチファンであることがひしひしと感じます。
昨年12月に「2025年報道写真展」を訪れた際も、藤川球児監督の胴上げ写真を見て思わずガッツポーズをしちゃってました。仕事中だろうとなんだろうと、タイガースのことになるとつい行動に出てしまうのは、真のファンである証だと思います。
もっとも虎党からすると、政治と野球は一緒にしてくれるなという思いも強いんですけどね……(苦笑)。
――改めて“阪神ファンという生き物”とは何なのでしょうか。
近年のウェルビーイング(Well-being=心身ともに満たされた良好な状態)の研究では、幸福感との関連で「熱狂」や「没頭」「共感」「達成感」「(社会や地域との)繋がり」といったキーワードが挙がっています。
今回、改めて阪神ファンと数々の調査や論文を突き合わせて分析してみたのですが、彼らの行動は、こうした幸福感に繋がるワードとリンクする部分が多い。だからこそ、慶應義塾大学の鈴木秀男教授の調査結果(※)にあるように、阪神ファンは「チーム応援」を通じた幸福感スコアが、12球団一高いのではないでしょうか。
(※2024年「プロ野球のサービスに関する満足度調査」において、阪神タイガースのファンは「チーム応援を通じた、生活満足度および幸福感」の幸福感スコア(総合生活満足度部門)が、12球団中トップだった)
――熱狂的であればあるほど、幸福実感が強いと。
先ほどのキーワードの「繋がり」でいえば、セ・リーグでは横浜DeNAや広島カープなども、地域密着型の球団だと言えるので、周囲との「繋がり」を感じやすいチームでしょう。ただ統計的に見ると、阪神ファンはそこにプラスして「多様性」があることが分かっています。
たとえば、女性やシニア、若年層、海外にも一定数のファンがいて、しかもその割合がほとんど減っていかない。その裏には、たとえば球団が毎年女性ファン(TORACO)向けのイベント「TORACO DAY」を開催するなどの努力もあるほか、「親から子への伝承」、いわゆる「英才教育」も強く影響しているようだと、今回、TORACOへの調査を通じて分かりました(笑)
――TORACOの話題が出たということで、本書執筆のために実施したTORACO(女性阪神ファン)2868人アンケートによる「推しランキング」の結果について、引き続き牛窪先生に分析していただきます!
(後編に続く)
取材・文/武松佑季
















