妻と母親が重なってしまう
心理テスト結果からは母親への強い拒否感、葛藤と同時に、母親からどう見られるかを気にする傾向が認められました。おそらく子どもの頃はこの傾向がもっと強かったのだろうと推察されます。
幸恵さんに対する愛情は確かですが、やはり、どう見られるかを気にする傾向と、自己否定感の強さも認められました。
「干渉されるって事は、信じてもらえていないと感じる事につながるので、それが自己否定感となってしまったんですね」
私がそう言うと、浩一さんは、
「いつも母に咎められていたので、『うるさいな』と思う気持ちと、自分はダメな人間だ、という気持ちが混在していた気がします」
そう言ったあと、
「幸恵は、少し母に似ている感じがするんです」
とまたため息をつきました。
「好きだし、尊敬もしているし。でも、『誰と行くの?』『今日はなんで飲みに行く事になったの?』とか聞かれると、ちょっと母の事を思い出すというか」
幸恵さんと母親が重なる。だからちょっとした事でも、怒られる、咎められるという不安を抱いてしまい、つかなくてもいい他愛もない噓をついてしまう。それが浩一さんの噓の原因でした。
文/山脇由貴子













