仕事一筋の超エリート裁判官と結婚するも…

東京都で生まれ育った原口さん。学習院大学法学部を卒業後、5年かけて司法試験に挑み、29歳のとき、晴れて弁護士として法律事務所に就職した。

その“最初の結婚相手”となったのは、司法試験の勉強中に知り合った同級生の裁判官の男性。4年の交際を経て、30歳のときに結婚に至った。

しかし、いざ結婚してみると、仕事一筋の夫は毎晩深夜帰りで、土日もあまり家にいない。一方の原口さんは、仕事に邁進するわけでもなく、子どももなかなか授かることができず、夫婦生活はすれ違っていった。

「何不自由ないんですよ。お互いが働いて、長期休みの日は旅行に行ったり、記念日はおいしいご飯を食べたり、喧嘩もすることがない。でもお互い気持ちの共有がしづらくなって、そこに面白みを感じなくなった。味気なくなってしまったのが一番の理由ですね」(原口さん、以下同)

原口さんが「離婚したい」と切り出してみたものの、不機嫌になって黙り込むだけの夫。話し合いに持ち込むこともできないまま、そこから1年が過ぎた。「なんとかこの状況を変えたい」と原口さんが目を付けたのは、北海道紋別市にある法律事務所の募集だった。

そこで4代目所長として採用され、北海道に単身赴任することを決めた原口さん。紋別市で弁護士として多忙を極める中、別居婚状態となった夫との心の距離もどんどん遠のいていった。

「北海道と東京、これぐらいの距離がちょうどいいなと思い始めた辺りから、『これって結婚してる意味あるのかな』って思えてきて…」

そして、この赴任先である北海道紋別市での衝撃的な出会いが、原口さんを1回目の離婚へと導くことになったのだった―。

裁判官の男性と1回目の結婚を果たした原口さん(写真/本人提供、以下同)
裁判官の男性と1回目の結婚を果たした原口さん(写真/本人提供、以下同)