甘さを見逃さない人がいることは大事
紺野のネタは、下ネタだけではない。2025年12月に行われた『THE W』では下ネタを封印しながらも準優勝となった。ただし、紺野自身は今でも「私は下ネタに向いている」と感じているという。
――紺野さんの下ネタは、年齢や性別を問わず広く受けています。なぜ、紺野さんは下ネタがハマったと思いますか。
紺野 すごく向いているんだと思います。下ネタの神様がついているというか(笑)。
下ネタを封印して4分間のネタを作れって言われたら、ノート1冊を使い切るくらい考えてやっとできましたという感じ。『THE W』の1本目で披露した落語のネタも8年くらい前、いやもっと前からやっていて、「やっといい感じになったかも」という感じです。
でも下ネタで4分と言われたら、多分4分半ぐらいで作れる(笑)。じゃあ、蕎麦なら「コシが強い・弱い…硬い・柔らかい…細い・太い…あなたの『そば』にいます…とか」ポンポンと頭に浮かぶんです。自分でも「なんだ、この力は」みたいな(笑)。
あとは、汁っけを出さないように、生々しくしないようにしています。やっぱりカラッとしていて、みんなが笑えることが大事だと思うので。
去年の『THE W』では、初めて審査員を務めた霜降り明星の粗品による辛口な審査や、「賞金1000万円にしてはレベルの低い大会だった」と大会そのものへの言及が物議をかもした。この一連の騒動を、現場にいた紺野はどのように捉えているのだろうか。
――今回の『THE W』は、粗品さんの発言にも注目が集まりました。紺野さんはどのように見ていますか。
紺野 わたしは、めっちゃいいと思っていました。まず、「THE W」の参加者は1000組くらいで、決勝に出るのは8人ほど。他の賞レースと比べて一番分母が少ない大会なので、レベル感は仕方ないかなと。もちろん上げたい気持ちはあります。
ただ変な話、粗品くんのコメントが注目されて、TVerの視聴ランキングでも1位になった。私、今までで一番ネタについての感想をもらったんです。
もちろん私はあの日にネタがハマったからそう思えるけど、もし万が一、やりきれていない日だったら辛かったと思います。でもやっぱり、見てもらわないことには始まらないですから。
来年は出場者が粗品くんを意識してネタを作るから、レベルが上がるはず。もちろんみんな、いろんなお客さんの前でやっているけど、甘さを見逃さない人がいるって大事なこと。そういった人がいることを意識することによって絶対面白くなると思うので、私は結果的にプラスになると思います。
お笑いに対して語る紺野の眼差しは真剣そのものであった。それは自身のお笑いスタイルを揶揄された経験があるからこそ、「面白さ」に対して考え抜くことをやめないからだ。「テレビ向きではない笑い」そう周りに言われても、「それでも誰かに笑ってもらいたい」と笑った彼女は、まさにお笑い芸人だ。(#2へつづく)
取材・文/羽田健治
(撮影/矢島泰輔)













