大豆とイソフラボン類
大豆にはダイジンやダイゼインなどと命名されているイソフラボン類が含まれるが、これらの大豆に含まれるイソフラボンの化学構造が占める空間は、女性ホルモン類の化学構造が占める空間とよく似ている。
そのため、大豆イソフラボンには女性ホルモン様作用があると言われている。
女性ホルモン類の化学構造が占める空間とよく似ている大豆(写真/shutterstock)
ショウガやミカンの皮は生薬の生姜や陳皮となる
食材には、漢方薬の処方や民間薬にも共通に使われるものも結構ある。たとえば、この項の冒頭で触れた生姜はまさにそのひとつである。
なお、生姜はそのまま生姜として使用する場合と、乾燥させた乾姜と言われるものに調製してから使う場合があるが、乾姜に調製すると、生姜ではギンゲロール(gingerol)と称されている成分がショーガオール(shogaol)という化合物に変わり、その作用も変化する。
また、私たちが普通に食べている温州ミカンの皮を干したものは漢方処方に使われる陳皮となる。陳皮には香り成分の他、アルカロイド類のN‐メチルチラミンやシネフリンなども含まれ、ストレスを発散させる作用や胃腸の働きを整える作用なども期待されている。
漢方にも使われる生姜(写真/shutterstock)
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日本人はいかにして毒と薬を食べてきたのか?
船山信次
2026/1/21
1,595円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4065423431
毒と薬に違いは無い。
普段食べている塩は生きる上で必要な食材ですが、過去には食べ過ぎによる死亡事故が報告されています。ビタミンが豊富で体にいい果物でも、食べ方によっては有害な作用を及ぼすものもあります。このように、飲食物が毒であるか薬であるかはその結果のみで考えられます。薬学博士で日本薬史学会会長の著者は、薬学の視点から口にした物の効果、さらには過去にも遡り日本での薬の歴史から食に関わる事故について経験談を交えながら紹介します。食の安全から毒に関心のある人までこの一冊に。
*以下、本書目次より抜粋
はじめに
第1章 毒とは何か薬とは何か、そして食べ物との関係
第2章 食べ物の歴史と地理と文化
コラム 世界四大矢毒文化圏
第3章 毒のある食べ物
コラム 暗殺と毒
第4章 食べ物と薬
コラム 健康食品と医薬品
第5章 嗜好品と人間
第6章 食べ物に関する論争そして地球環境と食べ物
コラム 人類と地球環境
おわりに