再来店を促す最も強い要因は3つある

この研究は、我々が日常的に吉野家で感じる「店による違い」の正体を科学的に裏付けている。「スタッフの応対」は店員の練度やモチベーションに左右され、「食品の温度」は調理オペレーションの正確さや繁盛度に依存する。

「日本一おいしい吉野家はどこ?」店によって味が違う理由と“うまい店”の4条件…経営の神様・稲盛和夫も通った“聖地”の秘密_2

これらの要素が組み合わさり、店舗ごとのユニークな体験を生み出しているのだ。顧客が再びその店を訪れたいと思うかどうかも、これらの基本的な品質に大きく影響される。

「顧客のリピート意向を分析した結果、再来店を促す最も強い要因は『食品の味』『スタッフの好感度』そして『店舗の清潔感』の3つであることが明らかになった。これらの要素は相互に関連しており、どれか一つが欠けても顧客満足度は大きく低下する。

フランチャイズ経営において持続的な成功を収めるには、これら基本的な品質要素を全店舗で高い水準に維持することが不可欠である」(研究論文『ファストフードフランチャイズ店舗のサービスと食品の品質評価』より)

「うまい」と感じる吉野家には、いくつかの共通する要件が

つまり、美味しい吉野家とは、単に味が良いだけでなく、気持ちの良い接客と清潔な環境が揃った店である。

この海外研究は、グローバル化する外食産業の成功法則を浮き彫りにした。稲盛和夫氏が愛した有楽町店や浜松町店は、おそらくこの3つの要素を高次元で満たしていたのであろう。

これまでの考察を統合すると、人々が「うまい」と感じる吉野家には、いくつかの共通する要件が存在することが見えてくる。

第一の要件は、高い回転率である。稲盛氏が繁盛店を好んだように、客の出入りが激しい店は食材が常に新しく、牛丼の味が最高の状態に保たれる。

これは最も物理的で分かりやすい美味しさの指標だ。つくり置きによる味の劣化が最小限に抑えられるため、安定した品質が期待できる。

第二に、時間帯が昼中心であることだ。ランチタイムは、店舗にとって最も集中力と緊張感が求められる時間帯である。スタッフは最高のパフォーマンスを発揮しようと努め、調理やサービスの質が高まりやすい。

深夜帯の落ち着いた雰囲気も魅力ではあるが、純粋な味のピークを求めるならば、やはり活気あふれる昼の時間帯に軍配が上がる。