気づけば御徒町の朝の名物に

カウンターのみの小さな店だが、開店前から店先に並ぶ客がいる。店主はもともと秋葉原で十数年ラーメン屋を営み、常連も多かった。しかし再開発による立ち退きで閉店することに。

店を失った途端、思った以上に寂しさを感じたという。とはいえ新たに人を雇ってまで商売をするのも大変だ。そこで、夫婦2人でできる商売を考える中で、「食べ物は好きだし、立ち食いそばをやってみよう」という結論に至った。決めたときは67歳。それから7年、現在74歳だが、店は朝の御徒町の“風景”になるほど根づいた。

「鶏だし そば うどん 三丁目」店舗外観(撮影/ライター神山、以下同)
「鶏だし そば うどん 三丁目」店舗外観(撮影/ライター神山、以下同)

立ち食いそばの出汁といえば、一般的には鰹節や昆布だ。だが店主はそこにあえて逆らった。

「普通のそば屋はかつお節でしょ? それじゃ面白くないなと思って。ラーメンやってたからさ、ちょっと変わった味でやりたいなって。鶏の出汁でやることにしたんだよ」