自民党全体としては、維新との連携は、ある意味で既定路線
玉木氏としては、今すぐ政権奪取するのは時期尚早という判断もあったのかもしれない。こうした中で、再び浮上したのが、維新との連携だった。
「維新としては、小泉氏から高市氏に“表紙”が変わったのは想定外としても、連携はしてきたいという気持ちに変わりがなかったのでしょう。結果的には、小泉陣営で積み上げた維新との信頼関係が作用した面もある。
遠藤氏と関係が深く、総裁選で小泉氏を支援した御法川信英元国対委員長代理(61)も、野党とのパイプが乏しいとされる梶山弘志国対委員長(69)をサポートしています。御法川氏は石破政権時代から、萩生田光一幹事長代行(62)らと定例のランチ会を開いて、多数派工作に向けた情報交換をしてきた経緯がある」(前出・自民党関係者)
つまり、自民党全体としては、維新との連携は、ある意味で既定路線ともいえる面もある。ただ、そのスピード感を巡っては、異論も噴出する。
高市氏は総裁選期間中から、首班指名選挙までの連立拡大を持論としてきたが、自民党の閣僚経験者は「首班指名選挙での協力は別にして、連立協議は年末くらいまで時間をかけないとお互いにあまりに軽いとみられてしまうし、党内のハレーションも大きくなる」と指摘する。
一方の維新は前のめりだ。
「執行部では、自民党側に閣僚ポストを複数要求する気です。4つ欲しいという声もあると聞いています」
維新関係者は筆者の取材に、そう打ち明ける。
実際、維新の藤田文武共同代表(44)は10月16日に行われた自民党との政策協議後、記者団に対して維新から閣僚を出す「フルスペックでの連立」を要請されたことを明らかにした。維新側は連立条件を副首都構想、社会保障改革、企業・団体献金の廃止など12項目を突き付けている。
10月21日に臨時国会の召集が迫る中、維新としてはここぞとばかりに“高く売りたい”のだろう。裏を返せば、公明党の連立離脱によって“超少数与党”となりつつある自民党は、それだけ足元を見られているというわけだ。