読まれる記事にある5つの要素

47リポーターズの編集担当になって悪戦苦闘を続けながら4カ月ほどたった2022年春、幹部からこんな指示を受けた。

「どういうデジタル記事が読まれているのか、分析し、説明してほしい」

ちょうどいい機会だと思い、すでに配信されていた200本ほどの記事を、内容、ジャンル、PV数、コメント数やその内容などに分け、なぜ読まれたのか、あるいはなぜ読まれなかったのかを考察してみた。200本の中には、私が着任する前に配信されていた記事も含めた。

分析というと難しそうに聞こえるが、特別なことをしたわけではない。たくさん読まれた記事一本一本について、読まれたと考えられる理由を列挙していき、似たような特徴を持つ記事をグルーピングして浮かび上がった特徴を考えてみた。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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その結果、記事がバズった理由を次の5つの要素に分類することができた。ヒットした記事は、おおむねこのどれかに当てはまる。しかも一つだけでなく、複数に当てはまるものが多い。

①    「共感」や「感動」
②    ストーリー性
③    最新ニュースの関連記事
④    見出しとサムネイルの結びつきの強さ
⑤     コメントの盛り上がり

この5要素を順番に補足したい。

①は内容が読者の共感を呼んだ記事、あるいは感動を誘った記事のこと。
②は、構成がストーリー仕立てになっている記事のこと。
③は、その時々に話題を集めた最新ニュースに関連した内容が書かれている記事のこと。

ニュースになっている話なだけに、読まれるのは当然と言えば当然かもしれない。ただ、最新ニュースの関連であればどれもが読まれるわけではなく、読まれなかった記事もある。その理由は、ほかの媒体から出ているライバル記事が多かったからだと思う。他社の記事と似たような内容であれば埋没してしまう。