「長文は読めない」というZ世代
この分析をした頃、私はたまたま別件の業務で「Z世代」からニュースについての意見や感想を聞き取る活動をしていた。Z世代とは、おおむね1990年代半ばから2010年前後に生まれた世代とされ、当時10代〜20代半ば。新聞は高齢層に読者が多いため、私たちにとっては最も縁遠い世代と言える。
この若い人々がニュースにどう接しているのか、というより、そもそも接していないのではないか、それはなぜなのか、ニュースについてどう思っているのかを把握するため、少なくとも3人にインタビューすることがミッションだった。そこで、つてを頼ってZ世代に該当する人を紹介してもらい、聞き取りを行った。
その結果は、一言で言うと驚きだった。ただ一方では、ぼんやりと想像していた通りのものだとも言えた。かいつまんで紹介すると「興味ない」「自分の人生にあまり関連がない」、そんな答えばかり。
そんな回答の中でも興味深いと思ったのは、新聞だけでなくテレビも見ない、Yahoo!ニュースなどのプラットフォームさえも見ていないと答えた人が多かった点だ。つまり、およそニュース全般に触れていないということになる。
しかし、本当だろうか。ニュースに触れていなければ、世の中に起きていることはまったく知らないことになるが、Z世代とはそんな世捨て人たちのような集団なのだろうか。