初任給7.5万円アップの企業も

先日、大手証券会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2026年4月に入社する大卒総合職の新卒社員の初任給を30万5000円にすると発表した。今春と比較して、総合職社員の初任給を一律2万9千円引き上げる予定で、初任給の引き上げは3年連続となっている。

さらに、大手生命保険会社の住友生命にいたっては、2026年4月に入社予定の新卒社員で、海外転勤の可能性もある総合キャリア職員の初任給を、今年と比較して7万5000円アップ(固定残業代を除くと3万円アップ)の33万5000円にするという。こちらも初任給の引き上げは3年連続となっているが、これは過去最高の上り幅だ。

企業が欲しがるフレッシュな新社会人(写真/ Shutterstock)
企業が欲しがるフレッシュな新社会人(写真/ Shutterstock)

この引き上げに伴い、給与の逆転現象が起きないように、入社2年目以降の社員の給与も引き上げる方向で調整している。しかしそれでも新卒と、キャリアを積んだベテラン社員との給料差が縮まるのは確実ではないか? という心配の声があがっている。

また、昨今続く初任給引き上げ報道にモヤモヤしているのは、1993年から2004年ごろにかけて就職活動を行っていた就職氷河期世代だ。この世代に対する救いがないまま、若者ばかり優遇されることに嘆く声がSNSで相次いでいる。

〈氷河期ですが人生で一度も月に30万貰ったことないです〉

〈初任給10万円台だった俺ら、今の新人が初任給30万円だったら、今の俺らも20万以上増額してもらわないとおかしいでしょ〉

〈若手を高いお金で買って、氷河期はいまやリストラ候補なんだから笑えないよ〉

〈氷河期世代はバカにされ見捨てられて救いの無い世代なのかね。誰も責任を取らない。 救済もしてくれない。自己努力が足りないだけとみなされる〉

一方でこれらの不満に対して、新卒から反論の声もあがっている。「自分の世代だけ不幸だなんて考えるのは他責思考ではないですか?」と話すのは、今年から新社会人になる22歳の男性だ。