参政党躍進に戦々恐々としている大手不動産デベ
参政党は今回の選挙にあたって公表した政策集で「外国人による住宅の購入に制限を設けて高騰を抑制し、土地購入は厳格化し基本禁止とする」「外国人による土地、不動産、インフラ設備、企業の売買監視と規制推進」という公約を掲げた。
都内のマンションの平均価格が1億円を超える状況が常態化し、持ち家が高嶺の花となった現在、こうした政策は国民感情に寄り添ったものだと言える。
今回、参政党と並び躍進を遂げた国民民主党も外国人による投機目的の不動産取得に追加の税負担を求める「空室税」導入を追加公約として盛り込んだほか、石破茂首相も「日本人が23区で部屋を持てないのはおかしい」として、外国人の不動産投機の実態を把握すると表明した。
参政党の掲げる政策と勢いに、既存政党が呑み込まれつつあるという構図だ。
こうした状況に戦々恐々としているのが、都心部で不動産を開発している大手不動産デベロッパーだ。三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産ホールディングス、東急不動産ホールディングスの大手5社の25年3月期の連結純利益はそろって増益で、全社が最高益を更新した。
各社とも、利益の源泉となっているのは住宅事業だ。いずれも近年は新築マンションの価格を引き上げることで莫大な利益を上げている。
例えば、三井不動産の場合、25年3月期に販売した分譲マンションの平均価格は1億220万円と、前期から2割近く上昇した。ちなみに、26年3月期はさらに上昇し、1億4280万円を予定しているという。
建築コストが大幅に上昇している中、利益を出すために価格転嫁をせざるを得ないというのが三井不動産側の説明だが、同社の住宅分譲事業の営業利益率は23.3%と、超高収益事業となっている。
強気の姿勢を支えた中国をはじめとした海外マネー
ちなみに新型コロナウイルス禍前の平均販売価格は7000万円台で、利益率は10%前後だった。価格を上げても購入する人たちがいるので、需要と供給に沿って価格を引き上げているというのが真相だ。
この強気の姿勢を支えている一端が、中国をはじめとした海外マネーの流入であることは間違いない。中国人が愛用するメッセージアプリであるWeChat(日本のLINEに相当)では、三井不動産をはじめとした日本の有力デべが手掛ける新築タワーマンションの情報が共有され、どの部屋の人気が高くなりそうか、相場と比べて割安かといった議論が交わされている。
実際にやり取りを見せてもらったところ、24年に販売され、超人気物件となったザ・豊海タワー マリン&スカイ(中央区)やリビオタワー品川(港区)の情報が飛び交っていた。
世界各国の都市の生活情報を収集するNumbeoによると、東京のマンション価格は1平方メートルあたり1万660ドル(約160万円)となっている。
アジアの主要都市と比較すると、上海や台北は東京の1.4倍、ソウルは約1.7倍、シンガポールは約2.1倍だ。かつての富の象徴とされた「億ション」だが、円安も相まって、海外の投資家目線でみると割安感が出ている。