「安野の妻か」振り向こうとした瞬間に後ろから背中をドン
事件が起きたのは6月23日の夕刻のことだ。
「用事を済ませて帰宅途中だった黒岩さんが都内の歩道で後ろから男に『安野の妻か?』という内容の言葉をかけられたんです。黒岩さんは安野氏が昨年の東京都知事選に出馬した際に前面に出て選挙活動をしたため、支持者らには知られています。それで黒岩さんが『はい、そうです』と答え振り向こうとした瞬間に後ろから背中をドンと押され倒されました」(黒岩さんの友人)
現場は車道の脇の歩道で、日没前後で薄暗くなっていたものの周辺の見通しもよい時間帯だった。黒岩さんを押し倒した男はさらにそばで罵声を浴びせたという。
「男は『お前らみたいなのが日本をダメにする』『差別主義者』『ナチスなんだよ!』などと言い放ち、倒れた黒岩さんにそれ以上の暴行を加えることはなく離れていったそうです。
黒岩さんは振り向きざまに一瞬男の顔を見ていますが、見覚えのある人物ではなく、倒された後は目を合わさないように顔を伏せていたそうです。動転している状況でしたが、男が40~50代くらいに見え、リュックサックを背負って手ぶらだった、という程度の記憶はあるそうです。連れのような人間はいなかったようです」(同前)
黒岩さんは倒された時にひざを擦りむいたり、内出血を起こしたりする軽傷を負っている。
深刻なのはこの事件が安野氏への反発が背景にあったとしても家族を狙ったことだ。
「政治活動をしているから批判的な声は当然あります。黒岩さんはこれまでも、安野氏が拡大を訴えているAIの活用を反対する人から暴言を浴びたことがありました。しかし今回はそれとは次元が違います」(同前)
安野氏を巡っては事件6日前の6月17日に、石破茂内閣の医療保険制度に絡む方針を一部肯定的にとらえたXでのポストに反発の声が上がったことがあった。
「チームみらい」の関係者は話す。
「SNSでの批判の中には今は消されているものもありますが、安野氏に対し『差別主義者』『優生思想』『ナチス』などという言葉も多くありました。こうした人格攻撃の書き込みに100万単位のインプレッションが付いたんです」