「自分が専門家として貢献できる領域が見つかりました」
――昨年の東京都知事選に出馬し、落選したものの約15万5千票を集められました。なぜ今度は国政を目指すのですか?
安野貴博(以下、同) テクノロジーをどう使うかが社会の形を大きく決める時代に入っています。デジタルテクノロジーに強い政治家がいない中、都知事選を通じ自分がその分野の専門家として貢献できる領域が見つかりました。
貢献する方法を考えたとき、政治家や行政を外から変えるには大きなハードルがあり、自分たちで素早く動ける政治集団をつくり実際に永田町に入っていくしかないと思いました。
――どういった政治を目指しますか。
目指すのは「テクノロジーで誰も取り残さない日本」です。日本は30年間、GDPはほとんど伸びておらず、実質賃金はマイナスです。そして少子高齢化、人口減少、財政赤字と今より悪くなる材料がたくさんあります。
大事なのは一時的なカンフル剤を打つのではなく、長期的な経済成長ができる構造に変えることです。そのために必要なことは3つ。
1つ目は、民間企業では当たり前のデジタル(技術の活用)をしっかり行政に持ち込むこと。
2つ目は、変化が激しいこれからの時代に対応できる仕組みづくりをすること。
3つ目は、前の2つで生まれた余裕を使い、長期に成長できるようなものに全力で大胆に投資をしていくことです。
――そこへ向けた当面の参院選の闘い方を教えてください。
私を含め10人程度が立候補します。比例区で2議席の獲得が目標です。
――その目標が達成できるかどうか、AIは何と言ってますか? 聞いてみましたか?
専門家の私からすると、AIにパッと聞いて答えてきたものはそんなに信頼できないなと思ってるので、そこはそんなにアテにすべきところじゃないなと思ってます(笑)。
――AIでいうと、テクノロジー(AI)を使い、多くの意見を深く聞く「ブロードリスニング」を通じて政策を固めていくとおっしゃってます。具体的に教えてください。
5月16日にマニフェストの超初期版を発表しました。これら作成過程のマニフェストをもとに、有権者がわからないところや気になるところをAIとチャットしながら、ある種、仮想的な熟議をし、「変更提案」をできる仕組みをつくりました。