祖父が美味しいと評判の中華料理屋を経営していて

斎藤容疑者の父親と古くからの知人という男性は、こう振り返った。

「容疑者本人のことは直接は知らないが、父親のことは高校時代から知っている。もともと容疑者のおじいちゃんがこの辺じゃ美味しいと評判の中華料理屋を経営していて、父親のほうも20年ほど前からその隣で飲食店を始めたんだ。美人の奥さんと2人で店を切り盛りしていて、昔は美男美女の夫婦って感じだった。

父親も店先で会えば気軽に声をかけあうような気持ちのいい男でね。子供は今回事件を起こした次男と、(もうひとり)長男がいたんだけど、この長男が19歳の時にバイクの事故で亡くなったんだ。寿司屋のデリバリーのバイトをしていて、その最中の事故だったと聞いている。当時、父親の飲食店の軒先に息子が亡くなったことと、しばらく休業するという張り紙が出されていた。当時おじいちゃんに香典を渡しに行ったから覚えているよ」

中学の頃の齋藤容疑者
中学の頃の齋藤容疑者
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そして10年ほど前になると、母親が新興宗教にハマっているという噂が立ち始めたという。知人がこう続ける。

「過激な勧誘で知られた団体だったね。知人の家に4人で勧誘に来た時にその中に容疑者の母親がいたと聞いている。俺には勧誘したり宗教のハガキを送ってきたりとかはなかったけどね。父親の方は、俺の見た感じだと宗教にハマるようなことはなかったと思う。まあ容疑者本人にとっては兄の死や母親の宗教などが重なって何らかの影響があったのかもしれないとは思ったよ。

あと、父親の弟が1年ほど前に亡くなってね。爺さんと婆さんも数ヶ月前に町中華を畳んじまったんだ。父親の弟は近くに住んでいて、そこに婆さんが毎日ご飯を運んで行っていたんだけど、その時に部屋で亡くなっていたのを目撃して婆さんもおかしくなっちゃった……。本当に色んな不幸が重なって、今度は息子がこんな事件を起こしてしまって、両親がどういう心境なのか想像しても計り知れないよ……」