数カ月後にはまた海外、次はイギリスへ
ーー前回のインタビューでは、ご自身の死生観にも触れていました。海外留学を経て、価値観に変化はありましたか?
変わったと思います。よくある「海外に行って、価値観変わりました!」っていう、あのベタなやつなんですけど(笑)。
「どうせ死ぬんだから、好きなことをしよう」というマインドはより強まった気がします。これまでは「好きなことをやろう」と思いながら、「ヤバい、私もう30歳だ……」って年齢に対する焦りもあったんです。
でも向こうでは、年齢を聞かれることは全然なくて。「今まで何していたの?」「なんでワーホリに来たの?」みたいな経歴の話も、ほとんど出てこないんですよ。
ーー日本だと、「いま何歳なの?」「仕事辞めてどうするの?」みたいな会話から始まることも多いですよね。
実際に帰国して親に会うなり「YouTubeとかインスタとかアパレルとか色々やってるけど、何がしたいのかよく分からなくなってるね。今後どうしたいの?」と言われました。
「まずおかえりだろ! 私のアンチかよ」と返しましたけど(笑)。
オーストラリアでできた友人は私が何歳かも知らないし、私も相手が何歳かわからない。私がバイトをしていた飲食店のオーナーはおそらく40歳くらいなのですが「特に将来のプランはないけど、今のビジネス辞めたいんだよね」なんて悲愴感なく平然と話してくる。
でも、それでいいんだなって思ったんです。年齢とか経歴にとらわれず、そのときにやりたいことをやっている。その姿がすごく自然で素敵に見えて、私も改めて「好きなことをしよう」って思えました。
ちなみに、YouTubeも本当に少しだけですが収益化できていますし、ありがたいことに日本でのファンミーティングのチケットも完売しました。これも基本的には人に頼ることができない環境に身を置けたことで、成長できたなと思っています。
ーー今回の帰国は一時的なもので、また海外に行く予定だと伺いました。次はどちらへ?
今考えているのは、イギリスです。これまでイギリスは、ワーホリで行くには抽選に当たらなければいけなくて、なかなかハードルが高かったんです。でも昨年から先着順に変わって、私にもチャンスがありそうなので、チャレンジしてみようかと。
それに、ロンドンには私の単独ライブを企画・プロデュースしてくれた、吉本興業の元社員さんが住んでいるんです。その方が「ロンドンで樺澤のライブやりたい」って言ってくれているので、実現できたらいいなと。その足掛かりとしても、イギリスに行きたいですね。
ーーちなみに日本滞在中は、何をする予定ですか?
ちゃんと家族と過ごしておこうかなと。イギリスには、ワーホリで最長2年間滞在できるんですよ。それを想像したときに、「次帰ってくるときまでに、実家の人たちは元気なのかな?」と思って。
家族で過ごせる時間も限られるのかもしれないので、日本にいる間くらいは、なるべく一緒に過ごそうかなと思っていますね。
群馬の実家はド田舎すぎて何をするにも遠すぎて、本当に本当に不便で、ストレスが溜まるんですけどね(笑)。
取材・文/毛内達大
撮影/松木宏祐