自由民主党と並び最も多い候補者を擁立する石丸新党 

地域政党「再生の道」を率いる石丸伸二氏は、2025年6月に投開票が予定されている東京都議会議員選挙に向け、精力的な活動を展開している。都内42ある選挙区のうち35選挙区に42人の候補者を擁立する方針であり、これは政党別の擁立人数において自由民主党と並び最も多い数である。 

石丸氏は候補者の質に自信を示しており、立候補希望者1128人から、最終選考に残った100人あまりとの面接を全てYouTube上でライブ配信した。 

写真/産経新聞社
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関連する50本の動画総再生回数は600万回に迫る反響を呼んだ。合格者のほとんどは金融やIT関係の民間企業勤務者や経営者など、政治経験がない人材だが、石丸氏は合格者の77パーセントが年収800万円以上、64パーセントが1000万円以上であるとアピールしている。

さらに「十分な人材がそろった」として、都議選に加え参議院選挙への挑戦も決め、東京選挙区に1人、比例区に9人を擁立する方針である。

 一方で伸び悩む支持率。5人は立候補を辞退 

積極的な候補者擁立の動きがある一方、2025年5月に行われた複数の世論調査では、「再生の道」への支持率が伸び悩んでいる状況が明らかになっている。

日本テレビと読売新聞が東京都の有権者を対象に、「再生の道」に投票しようと思うか尋ねた世論調査では、支持率は2パーセントにとどまった。

自民党が18パーセント、国民民主党が10パーセント、都民ファーストの会と立憲民主党が共に7パーセントであるのと比べても、低い数字である。

選挙ドットコムとJX通信社が日本国内の18歳以上を対象に行った全国意識調査では、「再生の道」への期待度について「期待する」と回答した割合は電話調査で18.3パーセント、インターネット調査で14.0パーセントであった。

これに対し、「期待しない」と回答した割合は電話調査で49.0パーセント、インターネット調査で61.0パーセントと、「期待しない」が「期待する」を大きく上回る結果となった。

また、候補者選考においては48人に合格を出したが、短期間での選考スケジュールもあり、家族の反対やSNS上の批判を受け、これまでに5人が立候補を辞退している。当初、最大60人の擁立を掲げていた石丸氏であったが、参院選への転戦もあり、最終的な公認は都議選42人にとどまった。