滋賀の田舎のハナタレ小僧が学歴に取り憑かれてしまった

「佐川恭一」という名前を聞いてピンとくる方はよほどの物好きだろうから、簡単に自己紹介しておくと、私は京都大学を出ている。滋賀出身で、小説を書くこともある。とりあえずそれだけ知っておいてもらえれば十分である。

まずは本書を楽しんでいただく下準備として、私が学歴に取り憑かれてしまった経緯について紹介しておきたい。

さて、京大を卒業している私だが、そもそもは京大などというワードすら出てこない世界(滋賀の田舎町)でハナタレ小僧をやっていただけだった。

父は高卒、母は短大卒。父はかなり貧しい母子家庭で育っており、その流れでうちも貧乏だったのだが、父が会社の仕事でメキメキ頭角を現してだんだんマシになっていった。