岸田前総理は石破政権の問題点を指摘

「こういった少数与党時代、野党と調整をして、一つ一つ結論を出していくということだと、やはり、日本の国が大きな決断をしていくということができない政治になってしまっているなということを感じています」

5月28日に都内ホテルで、こう語ったのは岸田文雄前総理(67)。政治解説者の篠原文也氏が主催する「直撃! ニッポン塾」で、約1時間にわたり講演をした。

総裁選で石破総理誕生に貢献した岸田氏は、今なお党内で影響力を持つ実力者の一人。そんな岸田氏は、自らの政権で取り組んだ「防衛力の抜本的強化」や「エネルギー政策の大転換」について熱弁した後、現在の石破政権の問題点を指摘した。

岸田前総理(本人SNSより)
岸田前総理(本人SNSより)
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「日本は、そして世界は引き続き歴史的な転換点にあるわけです。大きな決断をしなければならない場面は続くのではないか。大きな決断ができる政治を日本に取り戻していくことが大事なのではないか」

岸田氏が憂慮するように、少数与党の石破政権は、野党の協力なしには政権運営することができず、綱渡りの政権運営を続けてきた。

予算成立を巡っては、国民民主党と日本維新の会と「年収の壁」や、「高校無償化」を巡る問題で譲歩を重ねた。江藤拓前農水相の辞任劇でも、野党5党から「農水相不信任案」をチラつかされたあげく、江藤氏の事実上の更迭に追い込まれた。

「コメは売るほどある」と発言した江藤氏(農水省YouTubeチャンネルより)
「コメは売るほどある」と発言した江藤氏(農水省YouTubeチャンネルより)

野党への配慮を重ねるばかりで、総理自身が主体的に取り組んだ実績には乏しい。「石破カラー」は、なおざりになったままと言われている。