劣等感はいらない
アドラーは誰でもある程度、劣等感を持っていると考えています。しかし、人生の課題に向き合うためには、劣等感をブレーキにしてはいけませんし、そもそも劣等感は必要ではありません。
アドラーは劣等感には2種類あると考えました。有用でない劣等感と、有用な劣等感です。まず、有用でない劣等感とは、他者と自分を比べたときに持つ劣等感です。アドラーは劣等感に並べて「優越性の追求」という言葉も使っています。優れようと努力するという意味です。
他者との競争に勝ち、他の人からよく思われたい人の優越性の追求は、「野心」という形で表れます。アドラーはこのような他の人よりも優れようとする形で表れる優越性の追求を「個人的な優越性の追求」(individual striving towards superiority)と言います。
仕事はただ自分のためにするのではないと考える人がいる一方で、自分が優秀であると認められることしか考えない人は、自分にしか関心を持っていません。