自分にこそ「よく頑張りました」

人には親切なほうがいいですし、誠実なほうがいいのですが、自分の余力以上の力を他の人に注ぎ続けると、自分のエネルギーが枯渇して動けなくなります。

いつも人のために何かしなくてはと思いすぎて、人のために頑張りすぎて、結果、疲れ果ててしまうのであれば、自分一人になって自分の世話をする時間を持ってほしいと思います。

人は、自分の心に余裕がないと、人に親切にできず、思いやりも持てなくなり、「これだけしてあげたのに」と、見返りを求めてしまったり、人を羨ましく思ったり、妬みの心が生まれたりもするのです。

心の問題は心で解決してはいけない…93歳の心療内科医が「自分にこそ『ここまでよく頑張った』と言ってほしい」と説く理由_1
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さらに、そう思ってしまった自分を責めて、「私が悪かったのかもしれない」なんて、自己憐憫に陥ってさらに苦しくなってしまうのなら、まずは、自分にこう伝えてあげてください。

「ここまでよく頑張りましたね」と。

そして、人に振る舞っていたエネルギーを自分のために使ってあげてください。少し、一人になる時間も必要かもしれません。おいしいものを食べ、美しい景色を見て、森林浴をして、深呼吸してみてください。

頭の中を空っぽにし、自分だけの、少し孤独な時間を大切にしてみてください。あなたの疲れた心をやさしくいたわることができる、一番身近な存在はあなたです。