1人の女子生徒が突然、バッタリと倒れた
自ら行動しないし何も言わないという態度が、組織のなかで働く人たちの「常識」として定着、もしくは定番の処世術として徐々に浸透してきているようである。
さらにその「常識」は組織で働く人だけでなく、日本社会全体に広がっている可能性がある。それを印象づけるシーンがあった。
2017年8月に行われた夏の高校野球選手権大会の開会式。選手の入場が終わり、選手たちは各校のプラカードを掲げた女子生徒の後ろに並んだ。
球場全体が静寂に包まれるなか、1人の女子生徒が突然、バッタリと倒れた。周りの選手や生徒たちがただちに助けに行くかと思いきや、だれ一人として自分から助けようとしない。しばらくたってようやく大会関係者に救護され連れられていった。
このシーンはテレビの画面に映し出されたのでひときわショッキングだったものの、けっして特殊なケースではない。