「音ハラ」で悩む現代人が増加? 

会社での音ハラで代表的なのはキーボードのタイピング音がうるさいというもの。ほかにも力強すぎるマウスのクリック音などもあるが、この程度は序の口。デスクまわりの引き出しを開く音やお菓子を食べる音など、その種類は多岐にわたる。音ハラが声高に言われるがゆえに対策を立てる人も増えてきている。

タイピング音もハラスメントに?(画像/ Shutterstock、以下同)
タイピング音もハラスメントに?(画像/ Shutterstock、以下同)
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いまは、静音キーボードや静音マウスも販売されているため、会社側がこうしたアイテムを社員に支給することで、音ハラ対策をしているところもある。

だが難しいのは、注意する側が神経質でめんどくさい人だと思われるような、“微妙な音”だ。音自体は小さいのだが、気になり始めると自分の仕事に集中できず、小さい音ゆえに本人にも注意がしづらい。これこそが、職場で大きなストレスになっていると考えられる。

都内のWEB広告会社で働く20代の女性は、男性の同僚のとあるクセが気になり、本人にも注意したことがあると明かす。

「私の隣に座っている男性が、自分の髪の毛を頻繁に触るクセがありました。それだけなら見なければすむことですが、その人は髪の毛を撫でまわし、さらにジョリジョリとこすっているのです。静かなオフィスの中で、私にだけ聞こえるくらいの音で、横から『ジョリジョリジョリジョリ……』と聞こえ続けるのが本当に苦痛。

ある日、さすがに耐えられなくなって、『そのコスるの、音が気になるのでやめってもらっていいですか?』と声をかけました。その男性は、あっ! という表情をして、無意識にやっていたことをそこで初めて自覚し、すみませんと謝ってくれました。

しかしその後も、無意識がゆえ、気がづくと『ジョリジョリジョリジョリ……』と音が。向こうが自分で気づいてやめてくれるときもあれば、私が注意するまでやめないときもあり、本当にストレスです」(20代・事務職女性)