「丑の刻参り」からの衝撃的な幕開け、「シジミ汁」に隠された意図とは…
――物語は、ヒロイン・トキの一家が藁人形を木に打ち付ける「丑の刻参り」のシーンから幕を開けました。朝ドラらしからぬ衝撃的な導入はSNSでも大きな話題になりました。
ふじきみつ彦(以下、同) ちょうどあの撮影日が、顔合わせの次の日でもあったので、僕も現場で見させていただきました。出演者の方々がノリ良く演じてくださり、僕自身も手応えを感じるシーンでした。
――「縁起が悪い」など周囲のスタッフから反対の声はあがりませんでしたか?
僕の耳には届いていないですね。もしかしたらNHKの制作統括の人にはすごい届いているかもしれませんが…(笑)。放送後は面白かったという声はいただきました。
――ヒロインが大好きな食べ物として作品で頻繁に登場する「シジミ汁」。どのような意図でこの料理を選ばれたのでしょうか。
シジミ汁に関していえば、僕はわりと思い入れがある料理でして。母の実家が松江にあり、里帰り出産のため僕自身も松江で生まれているんです。制作統括の橋爪さんもそのことを知らなかったと思うので、ほんと偶然の一致なんです。
小学生のころは母の帰省に合わせて長期休みの年3回ほど松江に行っていました。だから松江の方言にも馴染みがあったし、祖父母の家に行くと朝ごはんにはいつもシジミ汁がでてきて、庭には食べ終わった貝の殻が撒いてあった。だから松江を書くとなって、シジミ汁も当たり前のように書いています。今後も物語の中で大切な食べ物になっていくと思います。













