「両津ストアーは年中無休!?の巻」(ジャンプ・コミックス第80巻収録)

今回は、駄菓子屋を廃業したおばあちゃんを、両さんが駅のキオスクへと転職させるお話をお届けする。

コンビニに取って代わられるまでは、駅構内やホームの超ミニマムなスペースにガムや煙草から新聞に雑誌、ハンカチやネクタイまでをびっしりと並べて商っていた売店・キオスク。

バーコードを読み込んで商品名と値段を表示するPOSシステムもキャッシャーも電子マネーもなく時間もない! という極限的な環境下で、商品の値段と配置場所のすべてを把握して客の求めに応じた品を受け渡しつつ、超高速で暗算をして代金と釣りのやりとりを行う。

キオスクを切り盛りする店員は、おそらく日本でしか見られない超特化型の働き手だったといえるだろう。そして、サラリーマンと近所の子どもたち……と、顧客こそ違えど、商う品数の多さや販売スペースの狭さなど、多くの共通点を持つ駄菓子屋店主を転職させる両さんのセンスには、おもわず唸らせられてしまう。

もっともキオスクの売り上げに注目した両さんは、このあと……!?

本作をお読みいただく前に、本作に登場するキオスクの先輩店員のおじさんに匹敵する小物販売のエキスパートが登場するお話をご紹介しておこう。

「現代コンビニ人生模様の巻」(ジャンプ・コミックス第129巻収録)には、POS(販売時点情報管理)システムを凌駕する顧客情報処理能力を誇る「レジ王」こと山田高田宏夫が登場する。両さん行きつけのコンビニでマネージャーを務める山田は、両さんの来店時間から店内での移動パターンを完全に把握しており、購入する商品の予測までしてしまう。この山田の職務を極めた働きぶりもまた、日本人の勤勉さをよく表現している。

「現代コンビニ人生模様の巻」より。この後、バイト店員として両さんが参戦し、この店は顧客の嗜好性を完全に把握した最強のコンビニへと進化!?
「現代コンビニ人生模様の巻」より。この後、バイト店員として両さんが参戦し、この店は顧客の嗜好性を完全に把握した最強のコンビニへと進化!?

それでは次のページから、キオスクのお仕事に着目した両さんの大暴走をお楽しみください!!