[生まれ変わっても]

amy_tatsubuchi2024/04/07
ロシアのウクライナ侵攻は2022年2月24日、その2日後に父の死。生と死、人生の不条理、夫婦と家族の不思議、もはやひとり禅問答状態。またまた入ってしまったこの暗いトンネルに、光がさすことはあるのでしょうか?ずーんと沈む私におかまいなく、母が「私、生まれ変わってもパパがいいわ♡」と早くも来世の予約発言。家業切り盛りの八百屋系夫婦は、男女を超えた同志のような繫がりがあるのだろう。「3組に1組が離婚する現代日本、それ結構レアだよ、ママ。もっと広い世界をみたほうがいい」と、来世の人生指南を残し実家を後にする。アップダウンがあるのが夫婦というものだけれど、お互い我慢したり、感謝したりを繰り返し、時を重ねてこそ到達する愛情は尊い。子どもが小さい頃は夫と険悪ムードの時期もあり、「もう好きじゃない」っていわれたことがあって悲しかったなぁ…あれって、なんだったんでしょ?と夫に問えば、「いや生まれ変わってもエイミーがいい」とのこと。こちらはまだ覚悟にいたらず、返事をせずすーっと聞きっぱなし。悲しみの暴走特急に乗っている私は、それどころではない。夫が亡くなる未来まで想像、さらに涙が止まらなくなる。

[風呂なし1週間]

amy_tatsubuchi2024/04/09
父の死以降再びメンタルが怪しい私。油断するとお風呂に入らなくなり、風呂なし(シャワーもなし)記録は最大1週間。香水をふりかけてごまかしながら生息するも、このままでは「汚ばさん」ではないか。まずいという自覚はあるから、6月に配信になったJ.Loのドキュメンタリー、『ハーフタイム』をみて、己のやる気スイッチを探したりする。セレブって、エイジングにおける同世代の希望を背負っているんだなぁ。ファンではないけれど、キムタクにはずっと元気でいてほしいもの…。夫は海外出張が再開して忙しそうだし、対面ミーティングやイベントも復活しており、家に籠らずなるべく外にでて打ち合わせをするよう心がける。この頃には「海外ではコロナ禍は終わって、もう先に進んでるよ!」と息巻く、洋行帰りの友人知人たちも増えてきた。行政と教育がコンサバでいつも立ち遅れてしまう日本は、なんだか取り残されている感あり。7月8日に安倍元首相がまさかの暗殺をされた時は、警備の脆弱さが国家のそれを象徴しているように思えた。一国の首相まで務めた方の最期に「ちょっと、あれはないでしょ…」的な、もやっと感に包まれた2022年夏。

風呂に入れない日はたいていジャージにソックススタイルだったという(写真は書籍『ファッションエディターだって風呂に入りたくない夜もある』より)
風呂に入れない日はたいていジャージにソックススタイルだったという(写真は書籍『ファッションエディターだって風呂に入りたくない夜もある』より)
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文/龍淵 絵美

ファッションエディターだって風呂に入りたくない夜もある
龍淵絵美
ファッションエディターだって風呂に入りたくない夜もある
2025年3月5日発売
2,200円(税込)
四六判/288ページ
ISBN: 978-4-7976-7460-6

モード編集者歴30年のエイミーこと龍淵絵美が、自身の編集者人生を振り返って綴る泣き笑いキャリア物語。1日約500ワード、日記形式で綴られる新感覚エッセイがここに誕生!
「許せない!」「負けたくないの」おしゃれの最先端をいくモード誌編集部に怒号が響く…。
時は平成、東京某所。物語は、ファッションが大好きな少女だったAmyが、小さな出版社に入社するところから始まる――。日本のモード界を牽引してきた女侍(ファッションエディター)たちの汗と涙の群像劇。
世界中の女の子が一度は憧れるキラキラした世界の裏側では、プライベート(結婚・出産・子育て)と仕事の両立に苦悩する女たちの、ドタバタと映えない日常があった…!?

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