時間管理やアイデアを学んでも「時間が足りない」
巷には「時間」をテーマにした本が溢れています。
書店の棚を眺めれば、「タイムパフォーマンス」「タイムマネジメント」「時間効率」「デトックス時間」と、数多くの〝時間の悩み〟にまつわる言葉が躍っているのです。しかもこれは日本に限ったことではなく、世界中で起きている現実です。
例えば1989年に『7つの習慣』(キングベアー出版)という1冊の本が刊行されました。
この本に書かれている内容を、少々乱暴ながらひと言にまとめるなら、「最優先事項を真っ先に実行すれば、人生は豊かになる」というものです(タイトルからは「時間管理」に関する話は想像しにくいかもしれませんが)。
初版が出版されて以来、世界中で2500万部ものベストセラーとなり、今現在も時間管理や自己啓発書の金字塔とされています。
しかし、奇妙に思えてならないのは、このように数多くの「時間の使い方」に関する本が出版され、先人たちが私たちに時間管理の手法やアイデアを教えてくれるにもかかわらず、現代の多くの人々が「時間が足りない」と感じている点です。
セイコーが発表した「時間白書2022」の調査結果によると、調査対象の実に66・3%もの人が「時間に追われている」と感じており、さらにその中の48・0%の人が「その感覚が以前よりも強くなった」と回答しています。
また、57.2%の人が「1日24時間では足りない」と感じており、この数字は前年よりも増加しています。