自己投資で得るものは、知識・スキル・経験・人間関係・時間

かつても、これからも、人材価値向上のために自分に投資することの意義と重要性は変わらない。

山崎元氏
山崎元氏

自分が投資するものは、時間・努力・お金の3つだ。そして、投資で得ようとする対象は、①知識、②スキル、③経験、④人間関係、⑤時間、である。

仕事で差をつけることができる「知識」、仕事の能力向上につながる「スキル」の獲得には、継続的な努力が必要なのが普通だ。自分流の勉強の仕方(先端の論文を読む、など)や技術の吸収の仕方(先輩から学ぶ、など)を工夫せよ。

自己投資というと、すぐに社会人大学院のような教育機関に期待しようとする人が多いが、しばしば疑問に感じる。

教えている内容は「誰でも知りうる知識やノウハウ」が多いし、無駄な時間が少なくない。また、残念ながら、国内MBAの履歴書上の価値は高くない。下手をすると履歴書上で、「この人は、会社の仕事が暇で、職場に不満のあった人だろう」という程度に解釈される可能性さえある。

自己投資に多く必要なのは時間だ。例えば職住近接の住居にお金をかけて勉強や人付き合いの時間を増やすなど、「時間を買う」ことが有効な自己投資になり得る場合がある。

年収1千万円=時給5千円だが、実際に使える時間の価値はそれよりもはるかに高い! 会食で、お酒の場で…山崎元氏が若い人に伝えたい人生のティップス_2
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時間の値段を意識する。「年収1千万円は時給5千円」

自分の時間にも、相手の時間にも、経済価値があることを意識するべきだ。例えば、年間250日、1日に8時間働くとして、年収1千万円なら時給は5000円、2千万円なら1万円だ。

そして、実際に仕事に使える時間の価値は、たぶんこれよりもかなり高い。

一つの分野への自己投資の目処は「2年」

学問でも仕事でも、2年間集中的に努力すると「素人とはちがうレベル」程度に達する。この段階で、その分野が自分に向いているかどうかを判断するといい。有望なら時間と努力の投資を続けるといいし、2年やってダメなら、たぶんその分野は自分に向いていない。

「頭のいい奴」、「面白い奴」、「本当にいい奴」と付き合う

人間関係は重要な資産だ。一般に、自分を変える方法は、付き合う人間を変えるか、時間の使い方を変えるかの2通りだと言われている。

付き合うと好影響をもたらす「頭のいい奴」、センスが良くてチャンスを引っ張ってくる「面白い奴」、真に心を許せる「本当にいい奴」、と積極的に付き合おう。そのためには、自分が3種類のどれかの人間になる必要がある。