スタンフォードが突き止めた「忙しさ」の正体
その言葉に、私はハッとしました。逆だと思っていたからです。
時間はありあまり、お金は有限だと。しかし、当たり前ではありますが、人は死にます。必ず死にます。いつか終わりが来ます。
それは誰しもに与えられた平等な条件です。だからこそ、「時間をどう使うか」についてちゃんと向き合わなければなりません。
このことに気づいた瞬間から、私は自分の時間をどのように使うかを真剣に考えるようになり、書店に行き、本を読み漁りました。
こうして発見した1つの答えがあります。
それが「忙しさとは幻想である」ということです。
先述した通り、現代人は年々、自分のために使える時間が増えています。
事実として、自由時間が増えているのです。しかし、それとは裏腹に、現代人は「忙しくなった」「時間が足りない」と感じています。
つまり、「忙しさ」とは、〝状態〟ではなく、〝心の感じ方〟なのです。
旅行中、どれだけ予定を詰め込んでも、人はそれを「忙しい」とは言いません。むしろ充実した旅だとすら思う人がほとんど。
でも、なぜか仕事だと、そうはいかない。「忙しさとは幻想である」これには、科学的エビデンスも存在します。
「なぜ人は、忙しさや焦りを感じるのか?」そんな普遍的な問いに答えを出すべく、スタンフォード大学の研究者たちは実験を行いました。
実験では、「時間制限(プレッシャー)」がある状況で被験者に課題を与え、通常時と比較し、ストレスホルモン(特にコルチゾール)の分泌がどう変化したかが調べられました。
結果、時間的なプレッシャーを感じるタスクに取り組むと、被験者のコルチゾールの分泌が増加すること(焦燥感が増加すること)が明らかとなりました。
これは、実際に行っているタスクの量自体が「忙しさ」に直結しているわけではなく、プレッシャーを感じた時に、心が勝手に「忙しさ」を作り出すことを意味しています。
やはり忙しさとは幻想だということです。
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