社会的認知の向上が急務! どこで診察を受ければよいのか
実は医療関係者の間でもFPIESの認知度が低いため、適切に診断されないケースが多い。
では、「何度も同じ食材にあたる」という症状があるとき、どの医療機関を受診すればいいのだろうか。
「小児の場合は、アレルギー専門の小児科医であればFPIESの知識があることが多いです。しかし、成人の食物アレルギーを専門とする医師は少なく、FPIESに詳しい医師はさらに限られています。そのためFPIESの可能性を疑った場合は、食物アレルギーに詳しい医師に相談することをおすすめします」
ただし、今のところFPIESに特効薬はなく、基本的な治療は原因食品の除去だという。
「今この病気は、まず認知度を高めることが大切です。患者の実態数が正確に把握されることで、より効果的な診断法や治療法の開発につながる可能性があります。医療従事者はもちろん、一般の方々にも広く知ってもらうことが重要です」
研究の進展とともに、FPIESに関する理解が深まり、適切な診断と対応が可能になることを期待する。
取材・文/浦上優