過激な配信をして振り込んでもらう配信者
このような事件が起きないようにするためには、配信者にも倫理観が求められるという。
「この業界で揉める時ってだいたい、金銭トラブルか、配信者がリスナーをバカにするような対応を取った時です。それでも殺人事件にまで発展するようなことはめったにありません。
ほとんどがこれまでの好意を裏返すかのようにアンチリスナーになって、ことあるごとに突っかかって嫌なコメントをしまくるといったレベルです」
また、配信者とリスナー間だけでなく、リスナー同士でのトラブルもあったという。
「男性の人気配信者がオフ会をひらいた時に、リスナーの男性と女性が集まるじゃないですか。その時に、男性リスナーが女性に『車で送っていくよ』と言って、帰りの車の中でレイプしたという事件もありました。なのでオフ会に参加する際には注意が必要です」
そんな危険と隣り合わせの配信業だが、これに憧れる人は多い。その動機はやはり、それなりの額の金銭を稼げるからだという。
「自分が始めたばかりの時は、まだ投げ銭(視聴者が動画配信者に対して行なう金銭的な支援)の文化はなかったんですよ。
黎明期には過激な生配信をすると、事前にプロフィール画面などで公開していた銀行口座に、勝手に大金が振り込まれることがありました。これが今の投げ銭文化につながったのだと思います。
例えば自分の場合、原発の放射能汚染区域で防護服を脱ぐ配信とか、大阪の道頓堀川に飛び込んだりとか…。
その時は自撮りじゃなくて、仲間に撮影してもらうんですが、道頓堀川に飛び込んだ時は終わった後、口座を見てみたら20万円が振り込まれてました」
また、金銭目的であえて過激な配信をすることもあったという。
「友達の女の子を呼んで、風呂桶に入ってもらって、買ってきた虫を入れたり、あとは女の子とのディープキス配信とか。ちょっとエログロ系の配信をするとお金をもらいやすいっていう風潮はありました」