メジャーのマイナーリーグには120球団もある

もうひとつ感じるのは、マイナー球団のあり方の違いです。これはむしろ近年の取り組みというより、アメリカにおけるプロ野球の伝統、その底力とでも言うべきものでしょうか。

日本の場合は、各球団が二軍(球団によっては三軍以下もあるようですが)を抱える形ですが、アメリカではマイナー球団を抱える「直営スタイル」はごく少数。

大半は、独立採算です。もっとも選手たちはMLB球団と契約をしているので、選手の給料はMLB球団から出ていますが、その他一切はマイナー各球団の努力によって運営されています。

ドジャース傘下のAAAチームオクラホマシティ・コメッツの本拠地 チカソー・ブリックタウン・ボールパーク
ドジャース傘下のAAAチームオクラホマシティ・コメッツの本拠地 チカソー・ブリックタウン・ボールパーク

それを支えているのが、ホームタウンの野球ファン。マイナーといえども、明日のメジャーリーガーを夢見て奮闘する選手たちを地元のファンが応援する姿があります。

MLBに所属するのは30球団。マイナーリーグは、4つのクラスで120球団。MLBは、市場をインターナショナルに拡大させ、放映権料などを伸ばしたことで、収益が爆発的に増えました。でも、そのベースにあるのは、このマイナーリーグの裾野の広さと、競争に勝った者がのし上がっていくシステムにあると思います。

日本の場合は、高校野球や大学・社会人野球が一部その役割を担っていますが、国際化という面では置き去りにされた感があります。